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四国八十八ヶ所 丙申年巡礼記3

四国八十八ヶ所 丙申年巡礼記3(平成29年5月8日(月)〜5月12日(金))

いよいよ今回で成満の巡礼に出かけます。いつものように道中安全祈願をしての出発です。
無事に飛行機に乗りうつらうつらzzzz…してたら「只今前方右手に富士山が美しく見えております。」のアナウンス!なんだか良いことがありそうだ!!
巡礼三回目ともなると皆さん手際よく準備をされ白装束もさまになってきました。
と…思いきや…「あらっ、傘がちょっと変な感じ…」これも旅の「味」でこざいます。
最初の札所は、第六十六番 雲辺寺。札所の中で最も高所(標高1000m)にあるお寺です。昔は難所の一つでしたが、今はロープウェイで。
下界と6度くらい違います。空気がひんやりして気持ちイイ!
山桜が出迎えてくれました。ありがたや。
余りにも気持ちいいので門前でパシャリ!
もちろん!ちゃんとお参りも致しましたよ。雲辺寺 大師堂
お参りを終えてみると、何やら絵馬が…フムフム…
この「厄」の字を…
切り抜いて、落とす。それで「厄落とし」。中々やるなー!!ウチ(自坊)でも導入しようか!?
と…今度は何やら石が…右の棒で叩く…か。
「コン!」堅いきれいな音色がしました。
雲辺寺参道は徳島県と香川県の県境になって居りました。チョイとまたいでパシャリ!!
まだ一ヶ寺しかお参りしていませんが…朝も早かったのでそろそろお昼に。讃岐と云えばうどん。
私は圧倒的な存在感の「ちくわ天うどん」を頂きました。オイシカッタ〜。
美味しいお昼の後は、待っていたかのように階段のあるお寺へ。第六十七番 大興寺
ナカナカおどろおどろしい文字ののぼりです。
本堂でお参りしていると、堂内では法要の真っ最中でした。
60年に一度の御開帳法会の最終日にお参りすることが出来ました。ありがたく仏縁に感謝。合掌
階段を下りてくると、のどかーーーーな風景が広がっていました。30年以上経っても変わらないこの景色、私、好きなんです。
「ゴォ〜〜〜〜ン!」やはり鐘の音は心が洗われます。第六十九番 観音寺
第七十番 本山寺 本堂が国宝、仁王門が重要文化財の本山寺のシンボルである五重の塔は修復中でした…残念!!こちらの御本尊は八十八ヶ所唯一の馬頭観音です。
今日は暑い…そう云えばお昼休みも無かったので、おやつ休憩を取りました。意外と!皆さんソフトクリームお好きなんですね。
私は…渋く 心太でさっぱり
ヤハリ…楽しいことの後には階段が。「人生は遍路なり」とはよく云ったものです。第七十一番弥谷寺参道。
ようやく162段の階段を上がって本堂に到着!!皆さんはこの後フーフー云って上がって来ました。弥谷寺はお四国きっての階段の名産地。昔は540段の階段を昇り降りしたものでした。
標高382mの本堂からは讃岐平野が一望。達成観!を感じます。ここで初日が足の筋肉痛と共に終わりました。お疲れさまです。
二日目はくもりの天気のスタートとなりました。第七十二番曼荼羅寺
あら!大きなお大師さまが。思わず見上げてしまいました。第七十三番 出釈迦寺
ポツポツと雨が降ってきました。第七十六番 金倉寺
雨に濡れた紫蘭は色鮮やかに。雨もまた好き哉。
おや!?今度はマーガレットの花が!この時期はホントに色々なお花に出会えます。第七十七番 道隆寺
雨も上がったようなのでパチリ!皆さん笑顔がステキです。
今日もおヒルは「うどん」です。盛りが少ない?!安心して下さい。お代わり致しました!
食後はまた…階段!!と云っても此処は階段の聖地「こんぴらさん」札所からチョット離れてお参りに行きました。
おっ!!昭和の名残が〜〜。懐かしい〜!!
また、雨も降りはじめ…「まだまだ階段あるし どうしようかしら〜。」「もう半分は来ました。直ぐです。直ぐです。」と…だましだまし昇ったのはここだけの話。
急な階段は慎重にねっ。
やっと785段を昇りきり 本宮に到着!! 皆さまお疲れさまでした。
(ちょこっと裏話)帰路のほぼ真ん中に「神馬」と書かれた馬屋が有り、ここに年に一度のお祭りに登場する馬が二頭おります。同行の某寺の奥様が、まさか本物の馬が居るとは思ってなかったそうで、馬が動いたら大層驚かれ「まさか、本物が…」って仰っておりました。「神馬って書いて有ったじゃん!近くに寄ったら馬の臭いしたじゃん。」と心の中でつぶやいた私でした…。
ようやく無事に戻ってきました。
疲れた体には、なんとも甘露でございます。
そしてお大師様が修築された満濃池へ。毎回思うのですが「池」のサイズではありません。デカイ!!
そしてお大師様の御誕生所であり、本日の宿となる善通寺へ。重厚な造りの本堂です。第七十五番 善通寺
境内を歩いて宿坊へ。
遍路宿や宿坊ではベテランのドライバーさん(先達さん)からの話しもまた楽しいです。いろいろと勉強させて頂きました。
朝5時半のお勤めに出席し、御影堂階下の「戒壇めぐり」を終え、やっと朝ごはんです。いただきま──す。
雨は上がったものの…今一つスッキリせず、讃岐冨士も頭を隠しております。
三日目 朝一番のお参りは郷照寺からです。第七十八番 郷照寺
ナンと!境内からは瀬戸大橋が見えました。と云うことは…いよいよお参りも佳境に入ってきました。
立体的な絵天井が素晴らしい。
私「あっ!キレイなお花!」皆さん「あっ!階段…」着眼点は人それぞれです。
ここで気が付いたのですが、今年はお遍路さんが少ないです。去年は六十年に一度のあたり年だったせいか、どこの札所もお遍路さんが多かったのですが今年はゆっくりとお参りが出来ました。第八十一番 白峰寺・大師堂
往きのお花のところでパチリ!シャクナゲが見頃でした。アレレ…一名見ている方向違いますよ〜!
おっ!何だかスゴイ角度の階段表示が…
ヒェ〜〜〜〜ッ 納得!!
讃岐最後のお昼ももちろん「うどん」です。ここのお出汁が一番Good!!でした。3日で7杯食べた事は内緒です。
山から街へと下りて来ました。第八十三番 一宮寺
余りにも印象的な山門の赤色に思わずパチリ!第八十四番 屋島寺
今度は打って変わって気持ちいい新緑のトンネルを越えてお寺に向かいます。
いよいよ、残す処3ヶ寺となりました。第八十五番 八栗寺
明日の行程を考え、ドライバーの判断で長尾寺へ 16:40にお寺に到着!!ギリギリでした〜。第八十七番 長尾寺
「……」
四国最後のお宿は温泉も有り、料理も美味しく、見晴らしの良い、三冠王のようなお宿でした。
そして
遂に!!四国八十八ヶ所巡礼成満しました!!第八十八番 大窪寺
「やったぞー!」
「うれしいです!」控え目に。
「感無量です。」
「がんばりました」
「ガオーッ」と、それぞれの声が聞こえてきそうな皆さん いい表情をしておられます。
山門前でパチリ!この石塔には「八十八番結願所」と記されております。
そして…期待と不安が入り混じりスタートした一番札所霊山寺にお礼参りに。
山門前で…皆さんのオーラがそうさせたのか!?写真が白っぽく写っています。
その後、四国を後にし高野山の麓の丹生都比売神社に参拝。丹生都比売神社についてはこちらをクリック
女神さまが祀られている神社だけに、どこか優美な佇まいの境内が印象的です。
翌朝一の橋より杉木立を歩いて奥之院に、お大師さまにお礼の奉告をしました。これで全て終わり無魔成満致しました、感謝!!
ドライバーの好意により、普段は中々行くことの出来ない高野山の更に奥の荒神社に参拝。標高1200mにあるこの神社は正に別天地でした。荒神社についてはこちらをクリック
高野山に戻り、金剛三昧院の天然記念物のシャクナゲが見頃だったので訪れ、帰路に就きました。

ドライバーさんのこと

四国のお参りを安全且つ様々な手配を頂いているドライバーさんをご紹介致します。
徳島県市場町にある八幡交通の代表 松村利明さんです。
これ迄、先々代、先代、現住と三世代に亘りお四国のガイドをお勤め頂きました。松村さん自身は、200回以上巡礼のドライバーとしてお四国を巡られているベテランドライバー=大先達であります。

私との出会いは、私が19才@免許取り立ての時、先代より「信徒の方のお参りをお前が運転して案内せよ。松村さんの後について行けば大丈夫だから。」と無謀な命令を受け、文字通り松村さんの後ろを走って11日掛けてお四国を巡ったのが初めてでした。何せ初心者ドライバー。側溝に脱輪させたり、カギの閉じ込みをしたりと迷惑のかけ通しでしたが、何とか無事にお参りを終えることが出来ました。

その後も、22才の時に歩きでの巡礼の時も何かとお世話になり、住職となってからは今回も含めて4回お世話になりました。温厚で飾らないお人柄で、いつも場に溶け込み楽しくお参りをさせて頂き、「お四国は松村さんに任せておけば大丈夫!」と厚い信頼を寄せておりました。
そんな松村さんも御年…ゾロ目歳となり、もしかしたら今回が先達として最後のお参りになるかもと思いご紹介させて頂きました。

ドライバーは運転の他に、行程の作成、宿の予約等の仕事がありますが、中でも納経所にて納経印を受けるのが大事な仕事です。
納経帳も6冊となると結構重いです。長い階段も急な坂も一人で納経所まで持っていきます。
白衣(おいづる)の御朱印は、汚れないよう一枚一枚新聞紙をはさみます。ありがたや。
勿論、夜は「宴会部長」として場を盛り上げるのも大事な仕事です。(ホンマかいな)
松ちゃん 長い間ありがとう!!感謝 合掌