サンチアゴ巡礼の道の旅にあたり
私は、学生時代に四国八十八ヶ所を徒歩で巡礼を行い、そのあと高野山で一年間修行生活を送り、その後スペインに縁があり3年ほどマドリードに在住したことがありました。
この間サンチアゴの教会を旅行で訪れ、ヨーロッパにも巡礼の道があることを初めて知り、その時「もし機会が有れば、いつか寺に縁のある人達と訪れてみたい。」と、漠然と思いました。
スペインでの生活を終え入寺してからも、「いつか行おう。」と密かに思っておりました。
昨年の落慶法要式典の余興を何にするか、役員さん、総代さんにご相談した際「住職のカラーを出せばいいのでは。」と云うお言葉を賜り、管長猊下のご列席にも関わらず余興でフラメンコ舞踊を選びご観覧いただきました。
この時ふと閃き「落慶の記念行事として行おう!」と云うことで本年の催行を決定致しました。
ただ、催行にあたっては先ずはお四国にお礼参りをと思い、昨年10月と本年5月に2度に亘ってお四国巡拝を行い、無事成満し準備万端相整えました。
しかし…こともあろうに4月に発生した新型インフルエンザのお陰で有縁の方々に広く声は掛けられず、また出発前日には今般私たちが使用する航空会社であるエールフランス機が行方不明となり、正にこれ以上の悪条件がない中で出発当日を迎えました。
しかし、お四国巡礼を終えたばかりで、しかも向かう先には聖ヤコブが待つ巡礼の道。
参加者5名は僧侶で、檀信徒7名のうち2名は一緒にお四国を巡った方々。
きっと、この旅は間違いなく神と仏の厚きご加護の中で無事に行われると思い、永年の思いが詰まった企画を遂に実行に移すことが出来ました。